新たな世論調査によると、米国の有権者の多数が、AI企業が公開データを無制限に収集してモデルをトレーニングすることに否定的な見解を持っていることが明らかになりました。
【理由】大多数が補償の義務化を支持
この調査は、人工知能政策研究所(AIPI)が実施し、AI政策に特化したデータプラットフォーム「Deep View」に共有されました。調査結果によると、回答者の60%がAI企業がインターネット上の公開データを使用してモデルをトレーニングすることに反対の立場を取っています。さらに、回答者の約75%が、AI企業は使用データの作成者に補償を義務付けるべきだと答えています。
また、約80%の回答者は、この補償義務を法的に規制する措置を望んでいると回答しています。
【現状】フェアユースとクリエイターの間で揺れる議論
この問題は、生成AIビジネスの中心となる議論の一つです。企業側は、利用可能なデータのスクレイピングは「フェアユース(適正利用)」であると主張する一方で、クリエイター側はこれに反対の立場をとっています。米国著作権局は現時点でどちらかの立場も取っていませんが、AI企業に対する訴訟が続々と起こされています。
AIPIのエグゼクティブディレクター、ダニエル・コルソン氏は、AI企業とメディアグループ間で結ばれるライセンス契約は出発点としては良いものの、小規模なクリエイターが取り残される危険性を指摘しています。企業は「フェアユース」を主張しつつも、ライセンス契約を結ぶ場合、報酬は依然として不均一であり、法的な対策が必要と述べました。
AIの発展に伴う作成者の権利と規制の必要性
AIの恩恵は、多くの人々の仕事や知識に支えられていますが、AI技術の進展に伴い、これらの貢献者への適正な報酬と規制の確立が急務となっています。コルソン氏は、「一般の人々がAIの開発方法について発言する権利がある」とし、今後のAI技術とクリエイターの関係性について適切なガイドラインが求められていると述べました。
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